ホームページの目的

ホームページの目的はあったほうがいい

ホームページに限ったことではないのですが、何かを専門にしている人に相談をすると「目的」を聞かれると思います。

デジタルカメラを買おうと思ってお店で店員さんに相談すると「何を撮りますか?」と聞かれるような感じです。

「いろいろ情報発信したい・・・」と言う方が多いです。「いまのホームページがイマイチで・・・」というのもよく聞きます。

重箱の隅をつつくようですが、こういうのは目的というよりは理由に近いです。ダメではないのですが、目的を意識していないと後々迷います

行き先が決まっていないのにクルマを動かし始めても、ナビは使えませんし、眼の前の交差点でどちらに曲がるか迷いますし、行きたかったところに着いたのか着いていないのかもわかりません。

目的がないと、できあがったときはそれなりにうれしいのですが、後が続きません。

だんだん更新作業が面倒になってきます。

目的があると面倒でも更新作業は続けられます。目的を達成するためにどうしたらいいか、を考えるようになるからです。

ホームページを運営すること自体は目的にはなりません。どこにもいかず、毎日洗車だけしていても仕方ないのではないでしょうか。

ホームページは道具の一つ

目的がないからと言ってホームページを運営できないということはありません。

目的がないと思っていても、自分では意識していないだけ、ということもあります。

ホームページがまだ一般的ではなかった時代は「ホームページを開設すること」が目的になりました。ホームページがあることで「ちょっと先を行ってる感」がありましたから。

でも、もうそんな時代は過ぎてしまいました。

仲間を増やしたい、売上を上げたい、作ったものを見てもらいたい、など、いろいろあるでしょう。

ホームページはあなたの目的を達成するための道具でしかありません。

場合によってはホームページではなくSNSを使うほうが良いことだってあります。

一方で、ホームページを選択肢にいれた理由もあるはずです。

費用を抑えて多くの人に見てもらえる場としてホームページを選ぶのは正しい選択だと思います。その選択はホームページを道具として見ることができているからでしょう。

オススメの目的

目的がはっきりしていないときは以下をオススメしています。

  • 問い合わせの数を減らす、または、増やす

いま、問い合わせが多くて困っている人は問い合わせを減らすことを目的にし、問い合わせが少なくて困っている人は問い合わせを増やすことを目的にする、ということです。

ホームページは対外的な窓口の一つと言えます。対外的なやりとりを効率化できれば満足できるのではないかと思います。

アクセス数は目的と勘違いしやすい

ホームページが出来上がると閲覧数が気になり始めます。アクセス解析やカウンターを導入して閲覧数をチェックするようになります。

アクセス数が増えて目的を達成できるのは、アクセス数の増加を目的にしたときだけです。広告をクリックしてもらって広告費を得るホームページなどです。

それ以外のホームページは、アクセス数が増えれば目的が達成できるかというとそうでもありません。

「目的達成の可能性が高くなるのでは?」と聞かれると「そうです」と答えますが、アクセスの検証は必要です。

結果に結びつくアクセスとムダなアクセス

新型コロナウイルス感染者数を毎日更新するページを作ったことがあります。

ページ作成から2ヶ月くらいでアクセス数は3,000ページ/日くらいまで急激に伸びました。「このアクセス数の1%でも他のページを見てくれれば問い合わせが増えるかも」と期待していたのですが、全くの期待外れでした。

アクセス解析で調べてみると、閲覧者は感染者数グラフのページだけ見て帰ってしまっていました。直帰率(1ページだけ見て帰ってしまった人の割合)が高かった。

閲覧者はせっかちです。自分の知りたい情報を得たらすぐに他へ行きます。

自分の知りたい情報があっても、ページの最初の方だけ見て「このページには無さそうだ」と思えば他へ行きます。

ページを最後まで読んでくれる人なんて10%もいれば良い方です。

ページの最初の方だけしか見ていなくてもアクセス数は1増えます。

スーパーのチラシには特売が出ます。「タマゴ1パック100円・先着100パック」みたいなやつ。

これは、もともとそのスーパーで買い物をしている人の来店回数を増やすことを目的にしているのだと思います。

「タマゴ安いよ、買えるかもよ、ちょっとお店まで来てください!」

客だって特売タマゴに期待はしてもアテにはしないし、特売タマゴが売り切れていたとしても他に何か買うでしょう。

客は自分がよく行くスーパーのチラシを見ます。チラシの代わりにスーパーのホームページをチェックする人にはホームページはチラシと同じ効果があります。

検索エンジン経由の客はそうはいきません。

そんな人はいないと思いますけど「タマゴ1パック100円」で検索し、そのスーパーのホームページに辿り着いても、スーパーが実際に足を運べる距離になければ店には来ません。

店に来てくれなくてもアクセス数は1増えます。

アクセスが増えても、必ずしも目的に結びつくとは限りません。アクセス数を目的と勘違いしないように気をつけましょう。

* * *

ホームページの目的は、作るときも運営するときも、何かに迷ったときの羅針盤になります。

目的がまだハッキリとしていないのであれば、理由の先にある目的を意識してみてください。

戻る
SAKURA WORKS